五岳館だより

剣道・書道・養蚕 五岳館館長の奮闘日記

「ぼーっとすること」の意味

いつもお世話になっている剣道の先生がいらっしゃいます。
普段はとても真面目で、なかなかお話もすることもないのですが、お酒の場ではとても饒舌で、私は年に一度の忘年会の時だけお話しするのをとても楽しみにしています。

いろんな人生経験がおありの先生で、若い頃、海外青年協力隊で中央アメリカのある国に2年ほどいたことがあるそうです。

赤道に近い暑い国で、人々は朝早くから働き、暑い日中は昼寝をして過ごすそうです。産業もとくにめざましいものはなく、人々は基本的にぼーっと過ごしていたそうです。そんな国に数年なじんで、日本に帰ってきたときには逆にカルチャーショックで、なかなか日本の感覚にもどれなかったと笑っていらっしゃいました。

私は日本から出たことはありませんが、外国人の友達が多く、はじめて会った方には「日本語が上手ですね」と言われる始末。(一体どこの国の人に見えるんだろう・・)
なんだか、その先生のお話がとても腑に落ちた感じがしました。

日本では「ゆっくりしたい」と言いながら、「ぼーっとすること」を嫌う一面があるように思いました。「子どもがぼーっとしている」といってプンプンしているお母さん多いです。また、それもわからなくもないですが。(笑)

豊かになるほどに忙しくなりました。選択肢や情報が多くなることは本当に得なのか・・わからなくなるときがあります。

確かに日本の社会で生きていく上では(もちろん外国でも)物事の「準備」は必要です。しかし、「心配」は、ほどほどで良いと私は思います。

もし、日本の人々から「心配」が少なくなれば、「ゆっくり」できる時間が増えるのではないか・・・そんなことを思いました。そうしたら私たちもいい意味で「ぼーっとしている」(=精神的な平和)と評価されるかもしれません。

館長のひとり言でした。

「君の名に自信と誇りを」  垂ネーム工房 五岳館

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